コウテイ 使い方ガイド

工程と原価の連動管理

工程表は段取りの図であると同時に、原価が発生していくスケジュール表でもあります。この記事では、実行予算を工程へ割り付ける手順、遅延コストを日額で押さえる考え方、週次で予定と実績を突き合わせる運用、追加工事の記録の残し方までを解説します。現場を持つ担当者がそのまま手を動かせる、利益率を守るための原価管理の実務です。

#原価管理#利益率#コスト

1. 工程表が原価管理の土台になる理由

実行予算のうち労務費・機材費・現場管理費は、いくら使うかより「どれだけの期間その現場を動かすか」で決まります。同じ数量の工事でも、職人を三日多く抱えれば人工が三日分増え、足場や重機を一週間長く借りればその分の賃料が積み上がります。つまり工程表は段取りの図であると同時に、原価の発生スケジュールそのものです。見積時に想定した工期と実際に組んだ工程表を並べ、日数が伸びていないかを着工前に確認するだけでも、利益率の目減りはかなり防げます。まずは「この工程表どおりに進めば見積の利益が残るか」という観点で、手元の一枚を読み直してみてください。

2. 工程ごとに実行予算を割り付ける手順

手順は三段階です。まず実行予算書の科目(仮設・基礎・木工事・設備など)を、工程表の工程名と同じ言葉に揃えます。次に各工程へ、労務費・材料費・外注費のうち期間で変動する項目を、金額と想定人工の形で書き込みます。コウテイなら工程のメモ欄に「予算48万/延べ12人工」と残しておくと、現場でバーを見た瞬間に金額感がつかめます。粒度の目安は工程数20〜40本、金額20万円以上または三日以上かかる作業は独立させることです。つまずきやすいのは科目名と工程名がずれるケースで、後から実績を集計できなくなります。

3. 遅延が利益率を削るしくみを数字で押さえる

遅延コストは感覚ではなく日額で持っておくと判断が速くなります。現場監督の人件費、仮設事務所や足場のリース、重機の賃料、警備員の配置費用などを合計し、「この現場は一日止まると何円か」をあらかじめ出しておくのです。注意したいのは月極契約で、月末をまたぐ数日の遅れが丸ひと月分の賃料に化けることがあります。応援を入れて追いつくか後工程を詰めるかで迷ったときは、増員にかかるコストと遅延の日額を並べれば判断がつきます。手待ちも同じで、資材待ちで職人が半日遊べば、その人工は請求できない純粋な損失になります。

コウテイで作成した工程表をA3横で印刷した例。左に工程名、上に日付と曜日が並び、土日は黄色・日曜と祝日は赤で色分けされ、各工程が横棒で表示されている
コウテイで作成した工程表のA3横印刷イメージ(土日・祝日は自動で色分け/長期工事は自動でページ分割)

4. 週に一度、予定と実績を突き合わせる

原価管理が続かない最大の理由は、工事が終わって締めてから初めて赤字に気づくことです。週に一度、十五分で構わないので、各工程の進捗率を更新し、出面表の人工数を当初の想定人工と突き合わせてください。目安は、予定より進捗が十ポイント以上遅れた工程、または想定人工を二割超えた工程を要注意として理由を書き出すことです。段取り不足なのか数量の見込み違いなのかで、打つ手はまったく変わります。日程を動かした結果はドラッグで工程表に反映し、共有URLか印刷で協力会社へ渡せば、認識のずれによる二重手間も減らせます。

5. 追加・変更工事の記録漏れが利益を消す

実務で利益率を最も削るのは、大きな遅延よりも、精算されないまま積み上がる小さな追加作業です。「ついでにここも直して」と口頭で頼まれたら、その場で工程表に別色のバーを一本足し、依頼者名・依頼日・増えた日数をメモに残す習慣をつけてください。半日以上かかる作業はすべて対象と考えて構いません。記録が残っていれば、月末の精算交渉で「いつ誰の指示で何日増えたのか」を工程表を見せながら説明でき、口頭の水掛け論になりません。追加分を工程表に反映しておくことは、後工程に入る職人への予告にもなります。

6. 見積から請求までを一本の線でつなぐ

理想は、見積・工程・実績・請求が同じ工事名と工程区分でつながっている状態です。実行予算表がExcelにあるなら、工程名・開始日・終了日・担当の並びに整えてCSV/Excel取込に流し込めば、工程表づくりの手間はかなり省けます。コウテイ自体に金額の入力欄はないため、金額はメモ欄と原価台帳で持ち、請求はセイQなどの請求書サービスへ引き継ぐ形が現実的です。いきなり全現場に広げず、まずは無料プランで一現場だけ工程と原価を並べて回してみると、自社に合う粒度と手間のかけどころが見えてきます。

❓ よくある質問

Q. コウテイの工程表に原価や予算を入力する欄はありますか?

金額専用の入力欄はありません。実務では各工程のメモ欄に予算額と想定人工を書き込み、金額そのものは実行予算書や原価台帳で管理する運用が現実的です。工程表側は「いつ・何日・誰が」を正確に保ち、金額はそこに紐づけて読むと役割が整理でき、二重管理になりにくくなります。

Q. 遅延コストはどのように計算すればよいですか?

現場を一日動かすためにかかる固定的な費用を合算し、日額として持っておくのが基本です。現場監督の人件費、仮設事務所や足場のリース料、重機賃料、警備費などが対象になります。月極契約の項目は日割りにならないため、月をまたぐ遅れは負担が跳ね上がる点に注意してください。

Q. 予算と実績の突き合わせはどのくらいの頻度が適切ですか?

工期が数週間から数ヶ月の工事であれば、週一回が目安です。週次で見ていれば、遅れや人工の超過に気づいた時点でまだ打ち手が残っています。月次だけだと赤字が確定してから気づくことになりがちです。忙しい時期でも、進捗率の更新と要注意工程の確認だけは続けると効果が落ちません。

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