工程管理 用語集

工程表・工程管理の用語集(全41語)

工程管理の現場では、同じものを指す言葉が複数あったり、一般用語と意味がずれていたりします。 この用語集では、工程表まわりで実際に使われる41語について、意味・使われ方・似た用語との違いを、建設実務の文脈でまとめています。

最初に押さえたい5語

まず「工程表」「バーチャート工程表」「ガントチャート」の3語の関係を押さえてください。日本の建設業で工程表といえば通常はバーチャート形式を指し、これは欧米でいうガントチャートとほぼ同じものです。そのうえで、遅れの影響を判断するための「クリティカルパス」と、節目を示す「マイルストーン」を知っておくと、工程表の読み方が一段深くなります。この5語だけでも、協力会社や発注者との会話はかなり通じるようになります。

似ているが違う用語に注意

混同されやすい組み合わせがいくつかあります。「工期」は着工から完成までの期間全体を指し、個々の工程の期間ではありません。「先行工程」と「後続工程」は順序関係を表す相対的な呼び方で、ある工程は別の工程から見れば後続にもなります。「進捗率」は出来高(完成した量の割合)を指す場合と、経過日数の割合を指す場合があり、社内で定義を揃えていないと報告がかみ合いません。各語のページでは、こうした取り違えやすい点も明示しています。

工程表そのものを指す言葉

形式・種類・様式に関する用語

工程表
工程表とは、工事やプロジェクトの作業(工程)を時系列に分解し、各工程の開始・終了・期間・順序・進捗を一覧できるように可視化した表です。建設業では工事全体の計画・管理・共有の基本ツールとして使われます。
バーチャート工程表
バーチャート工程表とは、縦軸に工程名、横軸に日付(時間)を配置し、各工程の期間を横棒(バー)で表す、日本の建設業で最も一般的な工程表形式です。ガントチャートの一種で、見やすさと現場掲示のしやすさに優れます。
ガントチャート
ガントチャートとは、プロジェクトの各作業(タスク)を縦軸に、時間(日付)を横軸に取り、作業の開始日・終了日・期間を横棒(バー)で示す工程管理図です。1910年代に米国の技師ヘンリー・ガントが考案し、今日ではあらゆる業種の進捗管理・スケジュール管理で世界的に使われています。
PERT
PERTとは、プロジェクトを構成する作業の順序と所要期間を矢印と結合点で図化し、全体の最短完了日と重要工程(クリティカルパス)を分析するプロジェクト管理手法です。米海軍のポラリス計画で開発され、ガントチャートと並ぶ代表的な日程計画技法として知られます。
WBS
WBSとは、プロジェクト全体の作業や成果物を、大きな単位から小さな単位へ階層的に分解して整理する手法(作業分解構成図)です。建設業では工事を工種・作業へ細かく洗い出し、見積もりや工程表を作る前段の土台として使われます。

日程・順序に関する言葉

工期の組み立てと前後関係

工期
工期とは、工事の着工(開始)から完成・引渡し(完了)までにかかる全体の期間を指す言葉です。工程表では横軸(時間軸)そのものに相当し、契約書や見積書にも明記される、工事の計画・費用・進捗管理を左右する基本の指標です。
クリティカルパス
クリティカルパスとは、工程全体で最も所要期間が長く、遅れると完成日がそのまま後ろへずれる最重要の作業経路のことです。CPM(クリティカルパス法)で先行・後続の依存関係をたどって求め、重点管理すべき工程を明確にします。
マイルストーン
マイルストーンとは、工事やプロジェクト全体の中で「上棟」「中間検査」「引渡し」といった重要な節目を示す基準点のことです。所要期間を持たない一点(イベント)として工程表上に置かれ、日本の建設現場では◆印で表記されることが多く、計画の達成度を測る目印として使われます。
依存関係
依存関係とは、工程どうしの順序の制約を指し、「基礎が終わらないと躯体に進めない」といった前後関係のことです。先行工程と後続工程の結びつきを明確にすることで、ある工程の遅れがどこまで波及するかを見通せ、工程表の精度と現場の段取りを支える基礎概念になります。
先行工程
先行工程とは、依存関係において、ある工程を始める前に完了させておくべき前段の作業のことです。「基礎が固まってから躯体を組む」の基礎工事が躯体工事の先行工程にあたります。順序の制約を明確にすることで、遅れが後続へ及ぼす影響を見える化できます。
後続工程
後続工程とは、工程表の依存関係において、先行工程の完了を待ってから開始できる工程のことです。「基礎が終わってから躯体」のように、前の作業に続いて行われる後の工程を指し、先行工程とセットで工事全体の順序と進捗のつながりを表します。
納期
納期とは、請負契約で定めた工事を完了し、建物を発注者へ引き渡すべき期限を指します。引渡日・竣工日とほぼ同じ意味で使われ、工程表では最後のマイルストーンとして明示されます。着工から完成までの「期間」である工期に対し、納期はその終点となる「日付」を指す点が違いです。
バッファ
バッファとは、天候不良や資材遅れなど想定外の事態に備えて、工程表にあらかじめ意図的に確保しておく余裕期間のことです。建設現場では「予備日」「余裕日」とも呼ばれ、遅れが出ても完成日を守れるようにするための計画上の備えを指します。

進捗・管理に関する言葉

動き出したあとの管理で使う

工事・施工に関する言葉

実際の工事の中身を指す用語

上棟
上棟とは、木造建築で基礎の上に柱・梁・桁を組み上げ、屋根の最上部に棟木(むなぎ)を据え付ける工程を指します。「じょうとう」「むねあげ」と読み、建前(たてまえ)とも呼ばれる住宅建築の大きな節目で、工程表ではマイルストーンとして扱われます。
基礎工事
基礎工事とは、建物の重さを地盤に伝え、建物全体を支える基礎部分をつくる工程です。地盤を掘削して砕石を敷き、鉄筋を組んでコンクリートを打設する一連の作業を指し、木造住宅では一般に3〜4週間ほどかかります。建物の耐久性と安全性を左右する最重要工程です。
躯体工事
躯体工事とは、建物の骨組み(構造体)を作る工事のことです。木造では柱・梁を組み上げる建方、鉄筋コンクリート造では型枠の組立・配筋・コンクリートの打設が中心となります。基礎工事の後に行われ、建物の強度と形状を決定づける、工程表上でも最も重要な工程のひとつです。
内装工事
内装工事とは、建物の室内側を仕上げる工事の総称で、クロス貼り・床仕上げ・天井仕上げ・建具の取り付けなどを含みます。躯体や設備が終わった後に行われ、住宅・店舗・オフィスの見た目と使い勝手を決める、引渡し前の重要な最終工程群です。
仕上工事
仕上工事とは、躯体や設備が終わった建物を完成状態に整える最終工程群の総称です。室内のクロス・床・天井・建具といった内装仕上げから、外壁塗装・防水・左官などの外装仕上げまでを含み、竣工検査と引渡しに直結する工期終盤の重要な工程です。
足場
足場とは、外壁工事や屋根工事などの高所作業を安全に行うために、建物の周囲へ仮設する作業床とその支持構造の総称です。仮設工事の代表格で、外壁塗装では最初に架けて最後に解体する必須工程であり、足場が架かっている期間の長さがそのまま工期とコストに影響します。
地鎮祭
地鎮祭とは、建物の着工前にその土地の神を鎮め、工事の安全と建物の末永い無事を祈る儀式です。神主を招いて施主・設計者・施工者が参列するのが一般的で、多くの現場では工程表上の最初のマイルストーンとして扱われ、以降の工程を並べる起点になります。
引渡し
引渡しとは、完成した建物を施主(発注者)に引き渡す建設工事の最終工程を指します。竣工検査に合格し、鍵・保証書・各種書類を渡して初めて完了する節目であり、工程表では最後のマイルストーンとして扱われます。この日を起点に、住宅ローンの実行や入居、保証期間が動き出します。
竣工検査
竣工検査とは、工事がすべて完了した段階で、契約図面や仕様書どおりに施工されているかを最終確認する検査です。施工者の社内検査、監理者検査、施主立会いの検査などで構成され、指摘事項の是正を経て合格すると、引渡しへ進むことができます。
養生
養生とは、工事中に床・壁・建具などを傷や汚れから守るため、シートやテープで保護することです。内装工事や塗装工事では着工直後の必須工程で、搬入経路の保護から養生撤去までを一連の作業として工程表に組み込みます。
仮設工事
仮設工事とは、本工事を安全かつ円滑に進めるために、足場・仮囲い・仮設トイレ・現場事務所などを一時的に設ける工事の総称です。完成した建物には残らず、工事の終了とともに撤去される点が本工事との違いで、工程表では着工直後に置かれる最初の実作業工程にあたります。
施工手順
施工手順とは、工事を構成する作業をどの順番で進めるかを定めた、工事全体の段取りです。基礎の後に躯体、下地の後に仕上げというように、建物には物理的に決まった前後関係があり、その順序を工種ごとに整理したものが施工手順です。日数と日付を与えて時間軸に並べると工程表になります。
リスク管理
リスク管理とは、天候不良・資材の納期遅れ・人員不足など、工程の遅れを引き起こす要因をあらかじめ洗い出し、影響の大きさを見積もったうえで、予防策と発生時の対応策を決めておく取り組みです。建設工事では工期を守るための基本的な管理活動として位置づけられます。
協力会社
協力会社とは、元請業者が請け負った工事の一部を専門に担当する工事業者のことです。建設業法上の呼称は「下請負人」ですが、対等に現場をつくる相手という意味を込めて協力会社と呼ばれます。躯体・内装・設備など工種ごとに現場へ入り、工程表を共有する主要な相手です。
発注管理
発注管理とは、工程表と連動させて、資材や協力会社への発注をいつ行うかを計画し、発注から納品・入場までを追跡する管理業務です。各工程の着手日から調達リードタイムを逆算して発注時期を決めるため、工程表の精度がそのまま手配の精度につながります。
原価分析
原価分析とは、工事一件ごとにかかった材料費・労務費・外注費・経費を工種や工程の単位で集計し、見積や実行予算と突き合わせて差異の原因を明らかにする手法です。分析結果を次の案件の見積根拠に反映することで、見積精度と利益率の向上につなげます。
竣工
竣工とは、請け負った工事がすべて完了し、建物や構造物が完成した状態を指す言葉です。読み方は「しゅんこう」で、工事の開始を意味する着工と対になります。竣工後に竣工検査を受け、指摘事項の手直しを終えてから施主への引渡しに進むため、工程表では終盤のマイルストーンとして扱われます。
事業計画
事業計画とは、建築プロジェクト全体を対象に、目的・規模・資金・スケジュール・収支の見通しをまとめた計画のことです。企画から設計、施工、竣工・引渡し、その後の運用までを一つの流れとして描くもので、工事の工程表は事業計画に含まれる時間軸の部分にあたります。
確認申請
確認申請とは、建築物の計画が建築基準法や関係法令に適合しているかを、着工前に審査してもらう手続きです。建築基準法第6条に基づき、建築主事または指定確認検査機関に申請し、確認済証の交付を受けて初めて工事に着手できます。工程表では着工直前の重要なマイルストーンになります。
BIM
BIMとは、Building Information Modelingの略で、建物の3次元モデルに部材の寸法・数量・コスト・工程などの属性情報を統合し、設計から施工・維持管理までを一貫して扱う手法です。工程情報まで結び付けたものは4Dと呼ばれます。
CIM
CIMとは、Construction Information Modelingの略で、BIMの考え方を土木分野に応用した取り組みです。道路や橋梁などの構造物を3次元モデルで表し、調査・測量から設計、施工、維持管理までを同じモデルと属性情報でつないで活用します。
定例会議
定例会議とは、工事の進捗や課題を確認するために、決まった曜日・間隔で継続的に開く打ち合わせのことです。建設現場では発注者・設計者・元請・協力会社が集まり、工程表を全員で見ながら予定と実績のずれを確認し、次回までの段取りと担当を決めます。
発注点
発注点とは、資材や協力会社への発注をいつ出すべきかを示す基準時点のことです。建設現場では、搬入日や作業の着手日からリードタイムを差し引いて逆算し、工程表上に発注期限として設定します。在庫管理でいう発注点(リオーダーポイント)と発想は共通で、ここを外すと手待ちや工期遅延に直結します。
工程実施率
工程実施率とは、予定していた工程に対して実際にどれだけ実施できたかを示す比率です。計画上その時点までに完了しているはずの作業量と、実際の実績を比べて百分率で表し、週次・月次で算出することで工程の遅れを早い段階で検知するために使われます。
産業安全
産業安全とは、労働災害を未然に防ぎ、働く人の生命と健康を守るための考え方と取り組みの総称です。建設業では墜落や重機との接触といった危険が伴うため、法令に基づく管理体制づくりと作業前の危険の洗い出しが欠かせず、工程表に安全上の節目を書き込む運用も広く行われています。

あわせて読む

❓ よくある質問

Q. 工程表とガントチャートは違うものですか?

ほぼ同じものです。日本の建設業でいう工程表は通常バーチャート形式を指し、これは欧米でガントチャートと呼ばれる図とほぼ同じ考え方です。厳密には、ガントチャートが作業間の依存関係を重視するのに対し、日本のバーチャート工程表は現場掲示のしやすさを重視し、土日祝の色分けやA3印刷を前提とした様式が発達した点が異なります。

Q. クリティカルパスは必ず求める必要がありますか?

小規模な工事では必須ではありません。ただし工期に余裕がない工事や、複数業種が並行する工事では、どの工程が遅れると全体が延びるかを把握しておくと判断が速くなります。バーチャート工程表でも、先行工程の設定をしておけば影響範囲はおおむね追えます。

Q. 用語の使い方が会社や現場で違うのですが。

実際によくあります。とくに進捗率の定義(出来高か経過日数か)や、工程と作業の粒度の呼び分けは現場ごとに揺れます。この用語集は一般的な使われ方を示すものなので、社内やその現場での定義が優先されます。認識のずれが起きやすい語については、各ページでその旨を明記しています。

用語を実際の画面で確かめる

マイルストーン・先行工程・進捗率といった用語は、実際に工程表を作ってみるのが一番わかります。コウテイなら登録不要でその場から試せます。

無料で試す →

📋 工程表作成、まず無料で試してみませんか?

ドラッグ&ドロップで直感操作、A3印刷対応、協力会社共有もワンクリック。