クリティカルパスとは
クリティカルパスとは、工程全体で最も所要期間が長く、遅れると完成日がそのまま後ろへずれる最重要の作業経路のことです。CPM(クリティカルパス法)で先行・後続の依存関係をたどって求め、重点管理すべき工程を明確にします。
クリティカルパスとは何か
クリティカルパス(critical path)とは、プロジェクトを構成する作業を先行・後続の順序でつないだとき、開始から完了までで最も所要期間が長くなる作業の連なりを指します。この経路上の作業が一日遅れれば、全体の完成日もそのまま一日後ろへずれるため、「最重要経路」「隘路(あいろ)」とも呼ばれます。逆にこの経路に含まれない作業には多少の余裕(フロート)があり、その範囲内であれば遅れても全体工期には影響しません。数ある工程のうち、どれを最優先で守るべきかを教えてくれるのがクリティカルパスであり、工期管理の出発点になる考え方です。
クリティカルパスの求め方(CPM)
求め方の基本はCPM(クリティカルパス法)です。まず工事をWBSで作業に分解し、各作業の所要日数を見積もったうえで、先行工程と後続工程の依存関係を設定します。次に着工日を起点に各作業の最早開始・最早完了を前へ計算し(フォワードパス)、完成日から逆算して最遅開始・最遅完了を求めます(バックワードパス)。この両者の差が各作業の余裕日数(フロート)で、これがゼロになる作業を開始から終了までつないだ経路がクリティカルパスです。要するに、依存関係でつながった経路のうち、合計日数が最も長いものを探し出す作業だといえます。
建設現場・工程表での使い方
建設現場で最も普及しているバーチャート工程表は、横棒で期間を示すため見やすい一方、作業同士の因果関係が表に出にくく、どの工程がクリティカルパスかは一見して分かりません。そこで重要工程の順序管理には、作業を矢印でつなぐネットワーク工程表(アロー式・PERT)が併用されます。クリティカルパスが分かると、人員や重機をその経路上の作業へ優先配置し、天候予備日などのバッファも重点的に確保できます。また工期短縮を検討する際は、クリティカルパス上の作業を短縮しない限り全体は縮まらないため、どの工程に投資すべきかの判断にも直結します。
具体例で見るクリティカルパス
簡単な例で考えます。木造住宅で、基礎20日→躯体15日→屋根・外壁20日→内装30日→竣工検査5日と一本につながる経路は合計90日です。一方、外構工事15日は躯体完了後ならいつでも着手でき、検査前までに終えればよいため数日の余裕があります。この場合、合計が最長となる「基礎→躯体→屋根外壁→内装→検査」がクリティカルパスで、内装が2日遅れれば引渡しも2日遅れます。しかし外構が2日遅れても、余裕の範囲内であれば全体工期は動きません。守るべき経路とゆとりのある経路を明確に切り分けられる点が、この分析の実務的な価値です。
運用上の注意点とコウテイでの扱い
注意したいのは、クリティカルパスは固定ではないという点です。ある経路を短縮すると、別の経路が新たな最長経路となり、クリティカルパスが移動します。また余裕のある工程でも、遅れが積み重なれば余裕を使い切って新たなクリティカルパスになり得るため、フロートのある作業も放置は禁物です。バーチャートだけで管理する場合は、重要な依存関係を見落とさないよう先行工程を明示しておくことが大切です。コウテイでは各工程に先行工程(依存関係)を設定でき、変更したときの後続への影響を可視化できます。クリティカルパスの自動計算は現在開発中で、今後のアップデートでの対応を予定しています。
コウテイでの扱い
「クリティカルパス」は、コウテイの工程表でそのまま作成・共有・A3印刷できます。ブラウザ完結・登録不要の無料プランあり。業種別テンプレートから数クリックで作成できます。
無料で工程表を作ってみる❓ よくある質問
Q. クリティカルパスとガントチャートは何が違うのですか?
ガントチャート(日本の建設業ではバーチャート工程表)は作業の期間を横棒で示す図の「形式」であり、クリティカルパスはその中で最も長くつながる作業経路という「概念」です。別々のものではなく、ガントチャート上で先行・後続の依存関係を設定すればクリティカルパスを把握できます。ただし順序関係を厳密に分析するには、矢印で作業をつなぐネットワーク工程表(アロー式・PERT)のほうが向いています。
Q. クリティカルパスが遅れるとどうなりますか?
クリティカルパス上の作業が遅れた分だけ、原則として全体の完成日も後ろへずれます。逆に、この経路上の作業を短縮できれば全体工期も縮まります。だからこそ人員や重機の配置、天候予備日などのバッファをこの経路に重点配分し、進捗を優先的に監視することが工期遵守の鍵になります。経路外の余裕がある工程とは、管理の優先度をはっきり分けて考えるのが実務のコツです。
Q. バーチャート工程表でもクリティカルパスは分かりますか?
横棒だけでは作業同士の因果関係が見えにくく、一見しただけでは判別できません。各工程に先行・後続の依存関係を設定し、依存でつながった経路の中で合計日数が最長のものをたどれば把握できます。コウテイでは各工程に先行工程を設定でき、変更したときの後続への影響を可視化できます(クリティカルパスの自動計算は現在開発中です)。