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環境配慮型工事の工程設計

SDGsや脱炭素への対応が求められるなか、環境配慮型工事では通常の工事にない工程が確実に増えます。本記事では、建設リサイクル法に基づく分別解体、廃棄物のマニフェスト管理、ZEH・ZEBなど省エネ性能に関わる検査を取り上げ、着工前に済ませる手続きと現場作業の日数の目安、工程表への落とし込み方を整理します。初めて環境配慮型の案件を担当する監督が、逆算して着工日を決められる状態を目指します。

#SDGs#環境#省エネ

1. 環境配慮型工事で工程が増える三つの理由

環境配慮型工事は、特別な工法を使うから工期が延びるのではなく、通常の工事に工程が「足される」ことで延びます。足される中身は大きく三系統で、①建設リサイクル法の届出や石綿の事前調査といった着工前の手続き、②分別解体と廃棄物の搬出という現場作業、③断熱・気密や省エネ設備の検査です。単体では数日規模でも、届出の受理待ちや処分場の受入枠のように自社の努力では縮められない待ち時間を含むため、後から気づくと挽回が効きません。SDGsや脱炭素を掲げた案件を受けたら、まずこの三系統を洗い出し、着工日を逆算するところから始めます。

2. 着工前に片づける届出と事前調査

工程の最初の関門は書類です。建設リサイクル法の対象工事(建築物の解体は床面積80㎡以上、新築・増築は500㎡以上、修繕・模様替は請負1億円以上、その他工作物は500万円以上)では、発注者が着手の7日前までに都道府県知事等へ届出を行い、元請はそれに先立って発注者へ書面で説明します。石綿は2023年10月以降、有資格者による事前調査が必須で、一定規模以上は着工前の報告も必要です。分析に出せば結果まで数日から1週間、吹付け材などが見つかれば大気汚染防止法の届出が作業開始の14日前までとなります。契約から着工まで最低2週間は空ける前提で組むと無理がありません。

3. 分別解体の段取りと日数の目安

分別解体は、コンクリート、コンクリートと鉄からなる建設資材、木材、アスファルト・コンクリートという特定建設資材を現場で分けて取り外す工事です。実際の段取りは、内装材・石膏ボード・断熱材・サッシなどを人力で先に撤去し、その後に重機で躯体を壊す「内装先行撤去」が基本形になります。木造30坪の住宅なら、混合で壊す場合の3〜5日に対して1週間前後を見込むのが安全です。つまずきやすいのは、石膏ボードが雨に濡れて受入を断られる、狭い敷地で分別ヤードが取れず搬出待ちが発生する、の二つです。雨養生と、品目ごとに搬出日を分ける段取りで大半は避けられます。

4. 廃棄物処理とマニフェストを工程に載せる

搬出先の処理場は、受入品目・時間・数量に制限があり、年度末や連休前は混み合います。工事が決まった段階で受入可否と枠を押さえ、搬出日そのものを工程表のマイルストーンとして置いておくと、解体班の手配とずれません。書類側は期限管理が要です。紙マニフェストはB2票・D票が交付から90日以内(特別管理産業廃棄物は60日)、E票は180日以内に戻らなければ30日以内に都道府県等へ報告が必要で、保存期間は5年です。電子マニフェストなら引渡しから3日以内の登録が求められます。工程表の該当工程のメモ欄に搬出日・処理業者・伝票番号を残しておくと、返送漏れの照合が短時間で済みます。

5. 省エネ設備・ZEH/ZEBで増える検査と待ち時間

2025年4月から原則すべての新築建築物に省エネ基準への適合が求められ、確認申請段階の審査が増えるぶん、着工前のリードタイムは長めに見ます。ZEH・ZEBや補助金を使う案件では、多くの制度で交付決定前の着工が対象外になるため、公募と交付決定の日程が工期の起点になります。現場の勘所は、断熱材を施工したあとボードで隠れる前の検査で、気流止めと防湿層の連続性をここで確認しないと、壊して直す手戻りになります。気密測定は中間と完成の二回に分けると是正が効き、測定自体は半日でも補修が出れば一〜二日は見ます。太陽光を載せるなら、電力会社への系統連系の承諾待ちが数週間に及ぶこともあり、連系日は別の節目として管理します。

6. 工程表に落とし込み、関係者と共有する

最後は一枚の工程表にまとめます。コウテイなら、木造解体やRC・鉄骨造解体、太陽光発電設置といった業種別テンプレートを土台に、届出期限・搬出日・検査日・連系日を◆マイルストーンとして先に固定します。分別解体や断熱工事に先行工程を設定しておけば、日程をドラッグでずらしたときに後続との矛盾が矢印で表示されます。既存のExcel工程はCSVやタブ区切りの貼り付けで取り込めるため、作り直しは不要です。掲示用にはA3横で印刷でき、長期工事は自動でページ分割されます。関係者が増えるほど環境配慮の工程は抜けやすいので、一枚を全員で見る形にしておくのが確実です。

❓ よくある質問

Q. 環境配慮型工事では工期はどれくらい延びますか?

工事の規模と内容によりますが、増えるのは主に着工前の届出・事前調査(実質2週間程度のリードタイム)、分別解体の手ばらし作業(木造30坪で数日程度)、断熱・気密や省エネ設備の検査(各半日〜1日、是正が出ればさらに)です。個別の作業は短くても、届出の期限や処分場の受入枠、補助金の交付決定など自社で縮められない待ち時間が絡むため、着工日を逆算して決めることが実務上いちばん効きます。

Q. 分別解体は必ず必要ですか?

建設リサイクル法の対象となる規模の工事では、特定建設資材(コンクリート、コンクリートと鉄からなる建設資材、木材、アスファルト・コンクリート)を現場で分別して解体することが義務づけられています。目安は建築物の解体で床面積80㎡以上、新築・増築で500㎡以上、修繕・模様替で請負金額1億円以上、その他工作物で500万円以上です。対象外の小規模工事でも、混合廃棄物は処分費が高くなりやすいため、分別して搬出したほうが結果的に有利になる場面は多くあります。

Q. 省エネ関連の検査は工程表のどこに入れますか?

断熱・気密に関わる検査は、断熱材を施工したあとボードで隠れる前が要点です。気密測定を行うなら、この中間段階と完成時の二回に分けると、数値が届かなかったときに補修の余地が残ります。工程表上は検査日と是正の予備日をセットで置き、内装仕上げの着手を検査完了後に依存させておくと順序の取り違えを防げます。コウテイでは検査日を◆マイルストーン、仕上げ工程に先行工程を設定する形で表現できます。

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