建設業の2024年問題と工程表の組み直し方
2024年4月から、建設業にも時間外労働の上限規制が適用されました。いわゆる「建設業の2024年問題」です。残業や休日出勤で遅れを取り戻すやり方が難しくなり、最初から無理のない工期と工程を組むことが、これまで以上に求められています。この記事では、上限規制の要点と、工程表の組み直し方をまとめました。
1. 時間外労働の上限規制の要点
働き方改革関連法による時間外労働の上限規制は、建設業では5年間の猶予の後、2024年4月から適用されました。時間外労働は原則として月45時間・年360時間までで、臨時的な特別の事情がある場合でも年720時間以内など、超えてはならない上限が定められ、違反には罰則があります。現場監督だけでなく、協力会社の作業員にも同じ規制が適用されるため、現場全体の働き方を見直す必要があります。
2. 工程への影響
これまでの建設現場では、工期が厳しくなると残業や休日出勤で遅れを取り戻すことが少なくありませんでした。上限規制の適用で、この方法には限界があります。その結果、工期の見積もりが甘いと、遅れを取り戻せずに引渡しが遅れるおそれが高まります。職人不足も重なり、必要な日に必要な人数を確保できるかどうかも、工程を組むうえでの大きな条件になっています。
3. 残業に頼らない工期の見積もり
工期を見積もるときは、1日の実働時間の中で終わる作業量をもとに、各工程の日数を決めます。過去の現場の実績(作業日報の記録など)から、工程ごとの日数や1日あたりの作業量を把握しておくと、見積もりの精度が上がります。休日と天候による中止の日数を、最初から予備日として工程表に組み込んでおくことも欠かせません。

4. 週休2日を前提に工程を組む
週休2日(4週8閉所)を前提に工程を組むと、作業日の数が減る分だけ暦日の工期は長くなります。工程表で休日を色分けして示し、休日をまたぐ作業や、休み明けに作業が集中しないように段取りを調整します。休日を前提にした工程表を最初に示しておくことで、発注者や協力会社とも休日の考え方をそろえられます。
5. 発注者と工期を協議する
建設業法では、通常必要と認められる期間に比べて著しく短い工期での請負契約が禁止されており、国は適正な工期を設定するための基準を示しています。発注者と工期を話し合うときは、工程ごとの日数、休日と天候の予備日、検査や手続きの期間を積み上げた工程表を根拠として示すと、工期の妥当性を説明しやすくなります。
6. 事務作業の時間も減らす
時間外労働を減らすには、現場の作業だけでなく、事務作業の時間を減らすことも効果的です。工程表の作り直しと配布、変更の連絡、紙の書類のやり取りは、現場監督の時間を大きく取っています。工程表をクラウドで作ってURLで共有すれば、変更のたびに作り直して配る手間がなくなり、関係者への連絡も一度で済みます。
❓ よくある質問
Q. 建設業の2024年問題とは何ですか?
2024年4月から、建設業にも時間外労働の上限規制が適用されたことで生じる、工期・人手・コストなどの課題を指す言葉です。残業に頼った工程の組み方が難しくなりました。
Q. 上限規制は協力会社の作業員にも関係しますか?
関係します。上限規制は、元請の社員だけでなく、協力会社の作業員にも適用されます。現場全体の工程を、無理のない労働時間で回せるように組む必要があります。
Q. 工期が短すぎる発注を受けたらどうすればよいですか?
工程ごとの日数や休日・予備日を積み上げた工程表を示して、適正な工期を協議することが大切です。著しく短い工期での契約は建設業法で禁止されています。
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