マイルストーンの上手な使い方
マイルストーンは、工期の中で「絶対に動かせない日」を工程表上に一点で示す印です。バーを並べただけの工程表では埋もれてしまう検査日や引渡日を浮かび上がらせ、日々の工程管理の判断を早めます。本記事では、どの日を節目に選ぶか、コウテイでの具体的な設定手順、置きすぎないための目安、印刷・共有時の注意点までを順に解説します。
1. マイルストーンとは何か
マイルストーンとは、工期の中で特に重要な節目を工程表上に点として示す印です。バーチャート工程表のバーが「いつからいつまで作業するか」を表すのに対し、マイルストーンは「その日までに何が成立していなければならないか」を表します。地鎮祭、上棟、中間検査、竣工検査、引渡しといった日付は、前後の作業が多少ずれても動かせないことが多いにもかかわらず、細かいバーが何十本も並ぶ中では見落とされがちです。コウテイでは幅を持たない◆マーカーとして表示されるため、工程管理の会話が「この作業は何日かかるか」から「この日までに何を終わらせるか」へ自然に切り替わります。
2. どの日を節目に選ぶか
節目に選ぶべき日かどうかは、「その日を一日ずらすのに、社外の誰かの承認や再予約が必要か」で判断すると迷いません。中間検査や完了検査のように検査機関の枠を押さえている日、施主立会いや近隣説明のように相手の予定が絡む日、コンクリート打設やクレーン・ポンプ車の手配のように動かすと費用が発生する日は、いずれもマイルストーンの候補です。反対に、社内の段取りだけで前後させられる日は通常のバーのままで構いません。この線引きをしておくと、工程が遅れたときに「どこまでなら吸収してよいか」の判断が現場でも共有され、無用な確認のやり取りが減ります。
3. コウテイでのマイルストーン設定手順
設定は難しくありません。工程を一件追加して開始日にその日付を入れ、右側のサイドパネルにある「◆ マイルストーン」にチェックを入れるだけで、幅0のバー、つまり◆マーカーとして表示されます。すでにあるバーを右クリックし「◆ マイルストーンに変換」を選ぶ方法もあります。バー上には工程名ではなく◆だけが出て、名称は左の工程名欄に表示されるため、「中間検査」「引渡し」のように短く具体的な名前を付けてください。終了日は開始日と同じ日に揃えておくとCSV書き出しや日数表示で矛盾が出ません。業種別テンプレートから起こした工程表には節目が入っていないので、最初にまとめて追加しておくのが効率的です。

4. 置きすぎないための目安と粒度
マイルストーンは増やすほど効果が薄れます。すべてが重要だと表示されれば、結局どれも重要ではなくなるからです。目安としては、工期3か月程度の住宅工事なら5個前後、工期1年規模の建築工事でも10個前後に収めると、A3で貼り出したときにひと目で追えます。工種の開始日を片端から節目にすると◆が横一列に並び、かえって読みにくくなります。迷ったときは「発注者への報告書や契約書に日付として書かれる項目か」を基準にすると、粒度が安定します。最初は少なめに設定し、現場の運用で「この日も押さえておきたかった」と感じたものだけを後から足していく進め方が現実的です。
5. 先行工程と組み合わせて遅れを早期に察知する
マイルストーンは単独で置くより、直前の工程を先行工程として指定しておくと真価を発揮します。コウテイでは、先行工程の終了日が後続の開始日を追い越すと矢印が赤い警告表示に変わるため、たとえば「内装仕上げ」を引渡しの先行に指定しておけば、仕上げが引渡日を跨いだ瞬間に画面上で気づけます。日程を自動で再計算する仕組みではなく、あくまで矛盾を可視化する機能ですが、週に一度バーを実績に合わせて動かすついでに赤い矢印の有無を見るだけで、引渡し直前に慌てる場面を減らせます。依存を張りすぎると矢印が増えて読みにくくなるので、節目に直結する一つか二つの工程に絞るのがコツです。
6. 印刷・共有したときの見え方に注意する
現場事務所に貼り出す工程表でも◆はそのまま印刷されます。A3横で出力し、ブラウザの印刷設定で「背景のグラフィック」をオンにしておくと、色付きのバーと合わせて節目が判別しやすくなります。工程数が多い場合や工期が長い場合は自動でページが分割され、縦は工程の並び順、横は日付の範囲で切られます。つまりマイルストーンは、その日付を含むページにだけ現れます。全体像を一枚で確認したいなら節目を工程リストの先頭にまとめ、工種ごとに配りたいなら関連する工程の直前に置く、と用途で使い分けてください。共有リンクを送った相手のブラウザでも同じ◆が見えるため、認識のずれが起きにくくなります。
❓ よくある質問
Q. マイルストーンと通常の工程はどう使い分ければよいですか?
作業に日数がかかるものは通常のバー、日数を持たない到達点はマイルストーンと考えてください。「基礎工事」は着手から完了まで幅のあるバーですが、「中間検査」はその日に合否が決まる一点なので◆が向いています。判断に迷う場合は、社外の相手の都合で日付が固定されているかどうかを基準にすると整理しやすくなります。
Q. マイルストーンは一つの工事にいくつくらい設定すべきですか?
工期3か月の住宅工事なら5個前後、1年規模の建築工事でも10個前後が扱いやすい目安です。多すぎると◆が並んで強調の意味を失います。まずは契約書や発注者への報告書に日付として登場する項目だけを設定し、運用しながら本当に必要だと感じたものを足していく方法をおすすめします。
Q. 節目の日付が変わったときはどう直しますか?
該当の◆を新しい日付までドラッグするか、サイドパネルで開始日を修正します。マイルストーンは幅を持たないため左右のリサイズはできませんが、日付の移動は通常のバーと同じ操作です。先行工程を設定してある場合は、移動後に矢印が赤くなっていないかを確認し、関係者への共有リンクや印刷物も併せて更新してください。
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