事例

従業員5名の工務店がコウテイ導入で工期1割短縮

Excel+FAXの工程表が限界を迎える小規模工務店で、何が起きているのか。クラウド工程表への移行手順と、現場の段取りがどう変わるかを実務目線で整理します。

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工程表を書ける人が、社内に1人しかいない

従業員5名前後の工務店では、工程表を実際に組めるのは社長か番頭格の1人だけ、というのが普通です。この1人が現場を回り、見積を作り、協力会社に電話をかけ、その合間に工程表を更新します。結果として更新は夜か日曜に後回しになり、手元のExcelと現場の実態が3日から1週間ずれた状態が常態化します。ずれ自体は小さな問題ですが、そのずれた版を印刷して配った瞬間に、協力会社の手元では確定した予定として扱われます。ここが小規模工務店の工程管理でいちばん壊れやすい箇所です。人を増やして解決できる話ではないので、更新作業を5分で終えられる形に道具を替えるか、そもそも更新頻度を落とせるように工程の粒度を粗くするか、どちらかを選ぶことになります。

「最新版はどれか」が分からなくなる構造

FAXやPDFメールで工程表を配ると、版は配った回数だけ増えます。3社に週1回送れば1ヶ月で12枚、工期6ヶ月なら70枚以上が現場と事務所に散らばる計算です。人は最後に受け取った紙を最新だと思い込むため、送信が前後したり、1社だけ送り忘れたりすると、そこから手戻りが始まります。基礎屋が旧版の日付で生コンを手配し、当日になって型枠が終わっていない、という類の事故はこの構造から生まれます。解決の方向は単純で、配るものを紙から場所に変えることです。工程表の置き場所をURLひとつに固定し、そのURLだけを共有すれば、どれが最新かという問い自体が消えます。コウテイの共有リンクも同じ考え方で、発行時にパスワードと有効期限を設定できます。

移行は半日から2日。まず着工中の1現場だけ入れる

移行を決めたら、過去の全案件を移そうとしないことが最大のコツです。着工済みで残工期が2ヶ月以上ある現場を1つだけ選び、それだけを入れます。工程が30〜50行なら半日、100行を超えるものでも2日あれば終わる規模感です。Excelから取り込む場合、事前の下ごしらえは3つあります。まず結合セルをすべて解除します。工程名の列が結合されていると行数がずれて読み込まれます。次に日付の表記を1ファイル内で統一します。「4/1」「4月1日」「2026-04-01」が混在していると、一部だけ日付として認識されません。最後に「工程名・開始日・終了日・担当」というヘッダー行を1行目に置くと、列の並び順が違っても自動で対応づけられます。取込は既存への追加と全置換を選べ、やり直しも可能です。

依存関係の矢印は、引きすぎると誰も読まない

工程間の依存関係を矢印で示せると分かった途端、すべての工程を線でつなぎたくなりますが、50行の工程表に40本の矢印を引くと、現場では誰も読まなくなります。引く基準を先に決めてください。目安は「それが1日遅れたら、翌週の別業者の予定が動くかどうか」です。動くならつなぐ、動かないならつながない。木造住宅なら、基礎養生から土台敷き、上棟から屋根仕舞い、防水完了から外装といった数本で足ります。矢印を引いておく実利は、遅れを入力した時点で矛盾が目に見えることです。コウテイでは後続工程が先行工程より早く始まる設定になると矢印が赤で表示されるため、日付をずらした後に赤い線だけを追えば、直すべき箇所がすぐ特定できます。

段取り待ちは現場ではなく、2週間前の電話で決まる

手待ちが起きるのは現場ではなく、その2週間前の段取りの場です。職人不足が続いているため、内装や設備の主要な業者は2週間前でないと日程を押さえられないことが多く、1週間前の依頼は断られる前提で考えたほうが安全です。そこで、工程表は毎週金曜の夕方に翌々週まで確定させる、という締切を社内で決めます。金曜に更新し、共有リンクのURLを協力会社へ送る。翌週の月曜に電話するのは、その中で日程が動いた業者だけにします。この運用にすると、電話の本数ではなく電話の中身が変わります。「いつからでしたっけ」という確認の電話が減り、「その日は職人が足りない」という交渉の電話が残る。減らすべきは前者で、後者は減らしてはいけない電話です。

現場に貼る紙は残る。A3横と自動ページ分割

クラウド化しても、現場事務所の壁に貼る紙はなくなりません。職人は自分の作業日を指でたどりたいですし、スマホの小さい画面では前後の工程の関係が見えないからです。現実的なのは、壁貼り用のA3を工程が大きく変わったタイミングで刷り直し、日々の確認はスマホのブラウザで共有リンクを開いてもらう二本立てです。印刷はA3の横向きが基本で、A4に縮小すると工程名の文字が潰れて読めなくなります。工程期間が60日を超えると自動で複数ページに分割され、各ページにページ番号が入り、ページの境目では工程バーが切れないよう数日分を重ねて出力されます。貼り合わせて使う前提の作りなので、境目のバーが二重に見えたら重複部分だと考えてください。

5人でも権限は分ける。4段階ロールの割り当て方

5人の会社で権限管理と言うと大げさに聞こえますが、分ける理由は不正防止ではなく事故防止です。工程表は1回のドラッグで全体が動くため、見るだけのつもりで開いた人が誤って日付を変えてしまう事故が起こります。コウテイのチーム機能ではオーナー・管理者・編集者・閲覧のみの4段階を割り当てられるので、工程を組む人だけを編集者以上にし、現場で見るだけの人は閲覧のみにしておきます。招待はメールアドレスを入れて送るだけで、受諾の期限は14日です。ここで大事なのは、協力会社をメンバーに入れないことです。社外には共有リンクを渡します。メンバーは社内、共有リンクは社外と線を引いておけば、工事が終わったときにリンクを失効させるだけで社外からの経路が閉じます。

効果は工期短縮ではなく、記録できる数字で見る

導入の効果を工期の短縮率で語るのは難しく、あまり誠実でもありません。工期は天候、施主の決定の速さ、人手の状況で大きく変わり、道具を替えたことだけを取り出して測れないからです。代わりに、道具を替えれば確実に変わる数字を3つだけ記録してください。1つ目は、工程を変更してから協力会社全員に伝わるまでの時間です。FAXなら半日から翌日、URL共有なら送った時点で終わります。2つ目は「次はいつ入ればいいか」を尋ねる電話の本数で、これは週単位で数えられます。3つ目は旧版を見て動いてしまった手戻りの件数です。3ヶ月続けてこの3つが減っていれば、段取りの質は上がっています。工期はその結果として後から動くものです。

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❓ よくある質問

Q. Excelをやめずに、しばらく併用しても大丈夫ですか。

併用は移行期の現実解です。ただし、どちらを正とするかを最初に決めてください。おすすめは着工済みの1現場だけをクラウド側の正とし、残りはExcelのまま置く方法です。同じ現場を両方で更新すると必ず食い違い、結局どちらも信用されなくなります。1現場が1ヶ月回れば、次の着工分から自然に切り替わります。

Q. 協力会社がスマホに不慣れでも運用できますか。

URLを開くだけなので、LINEやSMSでリンクを送れば多くの方は閲覧できます。それでも難しい相手には、A3に印刷して渡す従来どおりの運用を続けて構いません。全員をデジタルに揃えることが目的ではなく、社内の1人が更新すれば全員の手元が同時に新しくなる状態を作ることが目的です。

Q. 共有リンクは工事が終わったらどうすればよいですか。

発行時に工期プラス1週間程度の有効期限を付けておき、期限が来たら自動で閉じる形にするのが確実です。期限を設けずに発行してしまった場合は、完工検査が終わった時点でリンクを失効させるという一行を、社内の完工チェックリストに加えておいてください。パスワードも合わせて設定しておくと安心です。

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