外壁塗装会社の導入事例:雨天リスク管理を効率化
雨天中止が前提の外壁塗装で、工程表をどう作り、どう直すか。判断基準の決め方から予備日の置き方、中止当日の修正手順と協力会社への共有までを実務の順にまとめました。
「雨で一日飛んだ」が一日で済まない理由
外壁塗装の工程は、足場設置から高圧洗浄、養生、下地補修、下塗り、中塗り、上塗り、付帯部塗装、点検、養生撤去、足場解体まで、戸建てなら二週間前後で組むのが一般的です。この並びは前が終わらないと次に進めない直列構造で、しかも塗り重ねのあいだに乾燥時間が挟まります。だから雨で一日止まったとき、後ろが素直に一日ずれて終わり、とはなりません。足場屋に押さえてもらった解体日、施主に伝えた完了予定、近隣に配った挨拶文の日付まで連動して動きます。手書きやExcelの工程表だと、この連動を頭の中で追いながら書き直すことになり、直し漏れがどこかに必ず出ます。
中止の判断基準を、工程表の中に書いておく
雨天中止でもめる原因の多くは、基準が人の頭の中にしかないことです。多くの塗料メーカーは仕様書やカタログで、気温がおおむね五度を下回るとき、湿度が高すぎるとき、降雨・降雪時は施工しないという条件を示しています。まずこれを自社の標準として文章にし、次に判断する時刻と担当者を決めます。前日の夕方に翌日を仮判断して職人へ一次連絡、当日の朝六時台に最終判断という二段構えにすると、職人が現場に着いてから引き返す無駄がなくなります。コウテイでは各工程のメモ欄にこの基準と連絡順序を書き込めるので、担当者が替わっても同じ判断ができます。
まずテンプレートを出して、自社の型に直す
新規プロジェクトで「外壁塗装工事」テンプレートを選ぶと、足場設置から足場解体までが日付入りで並んだ状態から始められます。ここから自社の実態に合わせるのが最初の作業です。高圧洗浄の翌日は必ず乾燥に充てる、付帯部塗装は上塗りと一部重ねる、といった自社の癖を反映していきます。担当欄には足場業者名と塗装職人の名前を入れておきます。カテゴリを選ぶとバーの色が決まり、仮設・下地・塗装・検査が色で分かれるので、現場に貼ったときに今日は誰の日かが遠目で分かります。ここまでで三十分ほど、次の現場からは複製して使い回せます。
予備日は末尾にまとめず、乾燥待ちの手前に置く
雨に備える予備日を工程の最後にまとめて置く会社が多いのですが、これはあまり効きません。末尾の予備日は足場解体日を後ろに押すだけで、途中で崩れた職人手配を吸収してくれないからです。効くのは、洗浄から下塗りへ移るところ、上塗りから付帯部へ移るところなど、乾燥待ちが挟まる区切りごとに一日ずつ持たせる置き方です。梅雨や秋の長雨にかかる現場では外部工事側を厚めにし、雨の日に回せる付帯作業や打ち合わせを別の行として並べておきます。予備日は工程として明示的に一行入れておくと、消化したかどうかが一目で分かります。
中止が出た日、五分で直す手順
直し方は順番を決めておくと速く終わります。まず中止になった工程を選び、矢印キーの右で一日後ろへ送ります。バーをつかんでドラッグしても同じで、端をつかめば期間だけ伸ばせます。次に後続の工程を上から順に同じだけ送ります。ここは自動では追随しないので送るのは手作業ですが、先行工程を登録してあると、後続の開始が先行の終了より前に来ている箇所の矢印が赤く表示されます。赤が消えるまで送れば、辻褄の合わない並びは残りません。最後に足場解体と検査の日付が動いているかを目視で確かめ、進んだ分の進捗率も更新しておきます。行の順序はつまんで上下に入れ替えられ、操作を誤っても元に戻すで一手ずつ戻せます。慣れれば五分程度の作業です。
連絡は「何日ずれたか一行」とURLで
直した工程表は共有リンクで配ります。発行時にパスワードと有効期限を設定でき、期限は一日から一年の範囲で選べます。工事期間に一、二週間足した長さにしておけば、終わった現場のリンクが残り続けません。ログインして使っていればリンクは工程表そのものに結び付くため、直すたびに新しいURLを配り直す必要はなく、同じURLの中身が最新に入れ替わります。だから連絡文は「本日雨天中止、上塗り以降を一日後送り、足場解体は変更後の日付へ」と一行書いてURLを添えれば足ります。足場業者への解体日変更は最優先で、遅れると次の現場の段取りまで巻き込みます。
現場と事務で、見せる範囲と触れる範囲を分ける
社内で複数人が触る場合は、チームの権限をオーナー・管理者・編集者・閲覧のみの四段階から選べます。日程を動かしてよいのは工程を管理する人だけに絞り、事務や営業は閲覧のみにしておくと、うっかり上書きされる事故が起きません。招待はメールアドレスを入れて送り、相手が受諾すれば同じ画面を見られます。現場に貼る紙はA3横で印刷します。塗装の二週間程度なら一枚に収まりますが、長い工程は日付の範囲と工程のまとまりで自動的に複数ページへ分かれ、各ページに工事名と自社情報、通し番号が入ります。ページの境目で工程バーが切れないよう前後で数日分を重ねてあるので、貼り合わせても読めます。印刷設定で背景のグラフィックを有効にしないとカテゴリの色が出ない点だけ注意してください。
雨で止めた日を記録に残し、次の見積に使う
中止した日は、その場でメモ欄に「降雨のため上塗り中止」と日付付きで残しておきます。単なる記録に見えますが、これが翌年の工期設定の根拠になります。同じ地域の同じ時期に何日止まったかを自社の実績として持っていれば、見積段階で予備日を何日積むかを、感覚ではなく自社の数字で説明できます。工程表はCSVで書き出せるので、工程名・カテゴリ・開始日・終了日・担当・進捗を表計算ソフトに移して年ごとにまとめられます。すぐ効果が数字で出る類の話ではありませんが、雨のたびに電話を掛け直していた時間は、記録と段取りの時間に置き換わっていきます。
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❓ よくある質問
Q. 雨天中止の判断は何時にすればよいですか?
前日夕方の仮判断と当日早朝の最終判断という二段構えが現実的です。前日に一次連絡を入れておけば、職人が現場に着いてから引き返す無駄が減ります。判断する担当者と連絡の順序を先に決め、工程表のメモ欄に書いておくと、担当が替わっても同じ運用ができます。
Q. 工程を後ろにずらすと、後続の工程は自動で動きますか?
自動では動きません。後続も工程ごとにずらす手作業になります。ただし先行工程を登録しておけば、後続の開始が先行の終了より前になっている箇所の矢印が赤く表示されるため、直し漏れに気づけます。赤が消えるまで順に送る、という手順で確認してください。
Q. 工程を直すたびに共有URLを送り直す必要がありますか?
ログインして使っている場合、共有リンクは工程表に結び付いているため、直せば同じURLの中身が最新に入れ替わります。URL自体の配り直しは不要です。ただし相手は変更に気づけないので、「上塗り以降を一日後送り」といった一行を添えて連絡してください。